演劇公演 定点風景劇場版~森の灯台と赤の広場の夜~

「定点風景劇場版~森の灯台と赤の広場の夜~」チラシ表

2011/07/08-11
演劇公演

定点風景劇場版~森の灯台と赤の広場の夜~

@in→dependent theatre 2nd

脚本・演出:勝山修平

出演

  • イトウエリ(手のひらに星)
  • 木下朋子(彗星マジック)
  • 小玉藍
  • 小永井コーキ(彗星マジック)
  • 立花裕介
  • 寺尾有司
  • ナツメクニオ(劇団ショウダウン)
  • 成瀬トモヒロ
  • 西出奈々(彗星マジック)
  • 林遊眠(劇団ショウダウン)

作品

夜の闇から星の光が消えた世界。宇宙がどんどん膨張を続ける結果、星と星の間隔が広がったせいだと言われているが、確かな事は誰も知らない。

いつの頃からか、その世界の森は広がり始めた。畑を、街を、国すら呑みこんで遂に海よりも広がった森を挟んで、北と南にわかれた二つの国は終わることの無い戦争を続けている。

だが、何故森が広がるのか、いつ、何故戦争が始まったのか誰も知らない。

祈る星すら失った世界で、夜の闇を行く飛空機の孤独を支えるのは、森の真ん中に建つ灯台の火。人々の希望であるその灯台の火が、何を燃やして生み出されているのか、人々は知らない。

そんな世界の中で、灯台守の少女ベロニカは、戦争に向かう飛空機に向かって「死なないように、どうか、死なないように」と手を振り見送る。

「この仕事には、愛がある。」そう言ってベロニカを灯台守に推薦したヤコブは、その実「愛とは何か?」という問いに囚われている。元軍人のウマオと農家の娘アリサ、飛空機乗りの郵便屋アネモネはそれぞれの事情を抱えながらも、そんな二人を優しく見守り続ける。そして、森から生まれた森の人ミハイルも、自分の存在の意味、人と森がどうあるべきかに戸惑い続ける。

絵描きの青年デニスは、時計塔の鐘つき少女ヤナに恋をして、森林学者ラビは広がり続ける森の傍で、消えた恋人マルタの陰を追う。誰もが、自分の信じるものを見つけようと、信じたものを護ろうと懸命に生きている。

誰だって真実なんてはっきりとは知らない。でも確かなものはここにある。いつだって見える風景は、自分の前に、ただ、広がっている。