夢譚公演 帝都ロマネスク
2006/02/18-19
夢譚公演
帝都ロマネスク
@BLACK CHAMBER
脚本・演出:勝山修平
出演
- あべじゅんこ(劇団すてっぷ)
- 太田真紀(演劇ユニット明朗会計)
- 木下朋子(彗星マジック)
- 里見昌宜
- 塩崎尚夫(劇団kuskus)
- 成瀬トモヒロ(劇団kuskus)
- 西出奈々(彗星マジック)
作品
昭和35年。女がそこにいる。
幾重にも重なってこぼれ落ちんばかりの年輪をまとったその女はわずかに目を開け、見えるもののさらに向こうを映すようにして、唄を口ずさんでいる。
それは昔、まだ彼女が若かった頃耳にした笛の音の唄。
しゃがれた声で独り言のようにつぶやくその唄は、今日もどこからともなく老婆に逢いに来る子ども達の声でかき消される。
「ばーさん!ばーさん!きのうのお話しのつづき、きかせて。」
そして彼女は大正時代…華やかな時代に溢れる、革命の黎明期へと我々を誘う。
彼女の名は、「かのえ」。
夢に迷いし人を救うことを生業としている夢見屋なる商売にて、商売名と同じ名を持つ「夢見屋」の助手を勤めながら小説を書く、一風変わった女である。
夢見屋には、更に一風変わった者が訪ね来る。
自らの腕に自信をなくした「関谷」という名の笛吹き、行方不明になった「斎条峰」と云う女性を探す探偵「ひのと」、今は眠り続け、夢から覚めない女「長谷川」果ては怪盗「ブリテン卿」まで…!
黎明期を生きた女が語る、少し不思議で哀しく愛しい大正ノスタルジックテヰル。